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解決済みの質問

予防的武力行使についてお聞きしたいのですが。

アメリカのアフガニスタン侵攻以降、「先制的自衛」「予防的武力行使」と言う概念をよく目にします。
この「先制的自衛」「予防的武力行使」に対する、国連安保理、国連総会、国連憲章、一般国際法の解釈はどのようになっているのでしょうか。

正当な行為として認められているのでしょうか、それとも不当な行為とされているのでしょうか。

「先制的自衛」「予防的武力行使」に対する国連憲章条項、一般国際法条項の適応個所、国連決議等の状況、事務総長の見解等を御教え頂けないでしょうか。

宜しくお願いします。

投稿日時 - 2005-05-13 20:25:43

QNo.1385548

困ってます

質問者が選んだベストアンサー

「「法と名前はついていますが、法ではないということです。」の部分を詳しくお教え頂けないでしょうか。」

まず国内法について説明する必要があります。本来、法を施行できるのは国家です。それを主権と言ったり、もっと限定して施政権と言います。国家がその権利を独占しているわけです。もちろん法律以外にも地方公共団体の条例というのもありますが、これは地方自治法という法律の下に、法律に違反しない範囲において施行できるものにすぎません。
法律が機能するためには、司法制度や違反に対する罰則が整備される必要がありますし、最も根源的なものとして暴力を国家が法律に基づいて独占しているからこそ、法秩序が維持されているのです。もし警察がなく、あっても銃や警棒を持たず、逮捕権もなければ、だれも法律を守らなくなるでしょう。
このように国内社会においては、国家が最終的に権限を独占し、それに違反する権力を認めないのです。

ところが国際社会はまったく原理が異なるのです。国家は主権を持ちますが、その上位に位置する機構というものが存在しないのです。たとえば国際連合というものがありますが、加盟するのは各国の自由ですし、脱退も自由です。もちろん国連憲章は、国連に加盟しなければ守る義務はありません。
その他の国際条約も当事国が、それそれの自由意思に基づいて締結するもので、締結しない国を縛るものではないのです。北朝鮮が核開発をしていますが、NPT条約から脱退した以上、違法ではないのです。
国際司法裁判所もありますけども、これとて強制管轄権はありません。関係国が裁判に服すると合意しない限り裁判は行われません。竹島問題で韓国が応じないのはこれですね。
国際法を守らせる強制力も、だれかが独占しているわけではなく、各国が独自に軍隊を保有しています。国連軍とは、各国の軍隊の寄せ集めに過ぎません。それどころか国連軍に軍事行動をとらせようとすれば安保理に掛ける必要がありますが、常任理事国が全て賛成しなけくてはならない仕組みです。

本来、法とは国内法で言うように、絶対的なものです。無論、国際条約の影響を受けることはありますけども、それは、当該条約に調印し、批准した場合に限られます。絶対性に欠けるので法ではないのです。

もし国内社会に、国際社会のルールを持ちこんだらわかりやすいでしょう。「私は刑法には従いません」とか、「この裁判の判決には従いません」が通用するわけです。むしろ契約に近いものです。町内会のお約束なんかとおなじですね。「皆で公園の掃除をしましょう。」みたいなもので、それに従う義務はないわけですが、皆で約束した以上、守りましょうというようなものです。もちろんウチは町内会には入りませんという家もあるでしょう。ただ必要な回覧が回ってこないとかといったデメリットもあるのですが、それで納得できれば、別に問題はないわけです。国際社会とはむしろ、町内会のようなものと思ってください。

投稿日時 - 2005-05-14 22:56:31

お礼

大変解りやすいお答えありがとうございました。

感謝します。

投稿日時 - 2005-05-14 23:16:43

ANo.3

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回答(4)

ANo.4

国際法は法でない、という意見は昔から存在します。その論拠は大別して
(1)国際法は実効性がない。
(2)国際法は強制されていない。
というものです。

(1)は取るに足らない素人の印象にすぎません。実効性は法の必須要件ではありません。それが証拠に、我が国にも実効性のない法がたくさんあります。例えば、道交法、未成年者飲酒・喫煙禁止法。
また、国際法違反事例がセンセーショナルに報道されることが多いのに対し、国際法を遵守した事例が報道されることが皆無であることも素人の誤った印象を助長しています。国際法は、実は、日常的によく守られているのです。だから、国際社会が「社会」として存在していられるのです。

(2)は一見もっともらしく聞こえます。
国際社会には、現在のところ、強制的管轄権を有する司法機関がありません。しかし、これは国際社会の基本構造によるものであって、欠陥ではありません。
国際法の強制力は、伝統的に「自力救済」によって担保されていきました。権力を独占する中央政府がある場合、自力救済は原則的に禁止されますが、中央政府の存在しない国際社会では、自力救済は否定されません。その方法は、往時は報復・復仇・戦争などが、現在では国連による強制措置がこれに加わりました。
なお、国内法の強制力にもいろいろなレベルがあり、罰則を伴わない義務規定が多数存在することは周知の事実です。

国際法は、「法」です。その証拠は、諸国が国際法を「法」として認識し、取扱っているという現実です。
いまだかつて国際法が「法」であることを否定した国家は存在しません。また、いかにあからさまな国際法違反行為が行われた場合でも、違反国が国際法は法でないから守る必要はないと主張した例はありません。違反国は、それなりの論拠(屁理屈?)をもって自国の立場を正当化しようとします。これは、国際法が国際礼譲や国際道義とはことなる「法」であることが前提とされているからです。

それでは国際法の強制力(拘束力)の源泉はなんでしょうか?それは、「合意は拘束する」という国際社会の大原則です。
諸国は同格・並立で、それぞれが至高の主権国家です。至高の存在の意志の合致、これが国際法の拘束力の源泉です。国際社会が「社会」である以上、この合意の拘束力を否定することはできません。明示の合意が条約、黙示の合意が慣習国際法です。
なお、合意の拘束力は個人間にも存在します。これを契約といいます。契約には法的義務が伴います。公園の清掃を約束した以上、清掃に参加するのは一種の債務であって、法的義務です。日常的にこれが守られないとすれば、それは国内法の義務にも強制力が欠けていることを示すものでしょう。

繰り返します。
法は絶対的なものではありません。実効性も不可欠の要素ではありません。強制力も、そのレベルはさまざまです。
法とは、本来、その程度のものなのです。

投稿日時 - 2005-05-15 11:41:48

お礼

ありがとうございます。

大変解りやすいお答え感謝します。

投稿日時 - 2005-05-15 13:31:52

ANo.2

「確かアメリカのイラク攻撃は安保理を求めない武力行使でしたよね。その場合でも正当となるのでしょうか。そもそも、正当とは何をもって言えるのでしょうか。」

このあたりは論者によって解釈が分かれるところでしょうが、私は実は、イラク戦争という戦争はなく、湾岸戦争の停戦協定が崩壊したために戦闘が再発しただけという考えです。つまり湾岸戦争なんですね。逆にそうしないと正当性が見出せません。戦争とは相手の殲滅か、または講和をもって終結するのですが、湾岸戦争は停戦のみの状態でした。したがって停戦後も米軍機が飛行制限空域を飛行し、レーダー照射があると爆撃をしていたのです。停戦協定は、戦争の終結とは違いますから、その協定が破られれば戦闘を再開します。湾岸戦争そのものは国連安保理の武力制裁容認決議に基づきますから正当なものです。


「「国連憲章では、先制的な自衛権の行使を正当な行為とはしていない。」と言う方と「現状の世界情勢から言えば当然の行為で国連憲章が遅れている。」と言う方がいるようなので混乱しています。」

後者を正当化するためには、国連憲章が時代遅れであるということを、有力国が認めて、しかも、国連憲章に従わない行為が繰り返され一般化されなければ、なりません。ちなみに、そのような状況の場合、国際慣習法が成立したといいます。現状ではそのような状況にまでいたっていないでしょう。ということは条約法である国連憲章が適用されるわけです。国連憲章では予防戦争を認める条文は存在しませんし、認めてもいません。

「9.11に関しては、ビンラディンの身柄引渡しに応じなかったことと自衛権を武力行使の理由としているようですが、これも「急迫性が既に失われている以上、これは予防的な武力の行使で、先制攻撃に当たる、国連憲章に反した武力行使だ。」と言う人がいるかと思えば、「国家の維持は生存権に該当する自然権なのだから、国家の維持が危ぶまれる行為に対しては急迫性が失われていようとも武力の行使は国連憲章に反しない。」との意見がある。」

国内法における違法性阻害事由の正当防衛の論理ですね。それを国際社会に持ち込むのは少々無理があるでしょう。国内社会では強制法を適用する国家という存在がありますけども、国際社会にはそのようなものは存在しないのです。いわば条約とはいっても契約のようなものです。もちろん武力を独占する存在もありません。国内法では自救行為は基本的に認められていませんが、国内の警察にあたる存在がいない以上、それを回復する手段が必要となるでしょう。急迫性を厳格に捉えることは不法行為の回復を妨げることになります。


「国連憲章には、加盟国に紛争の平和的解決義務を明示してますよね。イラクへの武力行使の場合、フランス、ドイツ、ロシアなどは査察の継続を主張し、フランスは武力行使の際には拒否権を行使することを表明しましたよね。でも、アメリカは安全保障理事会での決議は求めず、イギリスなどとともに軍事行動を開始する。
何が正当で何が不当なのか解らない、結局、国連憲章、国連に欠陥があるのでしょうか。 」

時間がないので詳しい説明をできないのですが、国際法というものが、法と名前はついていますが、法ではないということです。力こそが正当性を担保する世界なわけです。有力国の締結していない条約は紙切れということですね。

投稿日時 - 2005-05-14 17:50:48

補足

細密にお答え頂きありがとうございます。
大変解りやすく素晴らしいお答えに感激しております。

不仕付けなお願いで申し訳無いのですが。
時間に余裕がある時で結構ですので、宜しければ「法と名前はついていますが、法ではないということです。」の部分を詳しくお教え頂けないでしょうか。

何度も申し訳ありません。

宜しくお願いします。

投稿日時 - 2005-05-14 18:14:28

ANo.1

正当な行為としては認められていません。ただ予防の時期によっては解釈がわかれるかもしれません。

安保理による軍事的制裁は、国連憲章違反に対するものです。一般的には侵略などに対して発動されます。ただし、一度それが停戦となってから、停戦条件が崩れた場合、その違反行為に対する武力行使を予防とすれば、正当とも言えるでしょう。これはイラク戦争が該当するでしょう。

アフガン戦争は、9.11同時多発テロに対する自衛権の行使として解釈されています。したがって予防戦争ではありません。

旧敵国に対しては無制限に攻撃できますので、予防戦争も可能です。

投稿日時 - 2005-05-14 00:01:54

補足

確かアメリカのイラク攻撃は安保理を求めない武力行使でしたよね。
その場合でも正当となるのでしょうか。
そもそも、正当とは何をもって言えるのでしょうか。

「国連憲章では、先制的な自衛権の行使を正当な行為とはしていない。」と言う方と「現状の世界情勢から言えば当然の行為で国連憲章が遅れている。」と言う方がいるようなので混乱しています。

9.11に関しては、ビンラディンの身柄引渡しに応じなかったことと自衛権を武力行使の理由としているようですが、これも「急迫性が既に失われている以上、これは予防的な武力の行使で、先制攻撃に当たる、国連憲章に反した武力行使だ。」と言う人がいるかと思えば、「国家の維持は生存権に該当する自然権なのだから、国家の維持が危ぶまれる行為に対しては急迫性が失われていようとも武力の行使は国連憲章に反しない。」との意見がある。


国連憲章には、加盟国に紛争の平和的解決義務を明示してますよね。
イラクへの武力行使の場合、フランス、ドイツ、ロシアなどは査察の継続を主張し、フランスは武力行使の際には拒否権を行使することを表明しましたよね。
でも、アメリカは安全保障理事会での決議は求めず、イギリスなどとともに軍事行動を開始する。

何が正当で何が不当なのか解らない、結局、国連憲章、国連に欠陥があるのでしょうか。

投稿日時 - 2005-05-14 09:46:20

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