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解決済みの質問

先出願主義について

ある発明の特許出願をしようと考えております。
公知例調査の依頼も含めて特許事務所にお願いしようと思います。

同じ内容の請求の範囲が記載された先願があり、まだその先願が公開されていない場合、
審査請求をしても39条1項で拒絶されてしまうと思うのですが
この場合、事務所にかかった費用はすべて涙を飲むしかないのでしょうか。

自分で出願するのであればさほど痛い金額ではありませんが、事務所に依頼するとなると費用も馬鹿にできません。先願が公開されていたのであれば、先願を見つけられなかったほうが悪いということはわかるのですが、公開されていない状態で「先願はない」と判断して出願し、あとから支払った費用が全て無駄金だったとわかってしまう可能性があるとなると出願の依頼を躊躇してしまいます。

まったく同じ内容の請求項になることは珍しいとは思いますが、このような場合、どういった対処をすべきかご教示ください。

以上よろしくお願いします。

投稿日時 - 2011-04-29 15:49:08

QNo.6702153

困ってます

質問者が選んだベストアンサー

39条と29条の2は、どちらも実質的に同一の発明を対象にする点で共通していますが、
39条は、
・先願の請求項と後願の請求項が実質的に同一であり、かつ
・先願が既に特許されている場合に適用されます。

一方、29条の2は、
・先願の明細書中の何れかの発明と後願の請求項が実質的に同一であり、かつ
・先願が公開されている場合に適用されます。

この要件から29条の2の方が適用しやすいので、審査官は、通常は、29条の2を使います。
例外は、
・2つの出願の出願日が同一の場合、
・発明者同一又は出願人同一の場合
です。
これらの場合には、29条の2が適用されませんので、審査官は、39条を適用することになります。

審査基準に詳しく記載されています。
http://www.jpo.go.jp/shiryou/kijun/kijun2/tukujitu_kijun/part2chap4.html

4. 第39条の拒絶理由がある場合の審査の進め方
4.1 同一発明の先願が存在する場合の後願の審査の進め方
4.1.1 出願人が異なる場合

出願人及び発明者が異なる場合には第29条の2の規定を適用する。

出願人が異なり、発明者が同一の場合には第39条の規定を適用するが、同一発明の後願であるという拒絶理由によって拒絶査定をする場合には、先願の確定を待つこととする。
4.1.2 出願人が同一である場合

出願人が同一である場合には、先願の確定を待たずに後願に拒絶理由を通知し審査を進める。

未確定の先願(出願審査未請求のものを含む)に基づき後願に第39条の規定に基づく拒絶理由を通知する場合には、拒絶理由が解消しないときは先願が未確定であっても拒絶査定をする旨を拒絶理由通知に付記する。指定期間経過後、拒絶理由が解消していない場合には、拒絶査定をする。

ただし、後願の拒絶理由通知に対する応答時に先願が審査請求されているが審査に着手されていない場合であって、後願の拒絶理由通知に対する応答において、先願について補正の意思がある旨の申し出があった場合には、以下のように取り扱う。

(1)

先願に拒絶理由がある場合には、先願に拒絶理由を通知し、指定期間の経過後、先願の補正の有無及び補正の内容を確認した上で後願の審査を進める。
(2)

先願に拒絶理由がない場合には、先願の特許査定の後に、後願の審査を進める。

4.2 同一発明の同日出願の審査の進め方
4.2.1 出願人が異なる場合

(1)

第39条第2項以外の拒絶理由がない場合には、各出願人に協議を指令する。

協議の詳細は2.7.1参照。
(2)

少なくとも一の出願に第39条第2項以外の拒絶理由がある場合には、協議を指令する際に、その出願にその拒絶理由を併せて通知する。

(説明)

同一の発明について異なる出願人により同日に二以上の特許出願がなされている場合には、協議を指令するが、その際に第39条第2項以外の拒絶理由を通知することにより、出願人は、実質的にすべての拒絶理由を同時に知ることができ、適切な対応をとることが可能となる。
4.2.2 出願人が同一である場合

出願人が同一である場合には、協議の指令とすべての拒絶理由の通知は同時に行う。

投稿日時 - 2011-04-30 21:04:32

お礼

39条が、先願がすでに特許査定になってないと適用されないというのは知りませんでした。
でも普通に考えると、たしかにそうしないと請求の範囲が確定されないから適用できるはずがありませんね。

協議以外での拒絶理由通知には、先願の拒絶理由も記載されているから、それを避けるように補正すればよい、ということですね。

特許法って難しいですね。出願しようというからにはもっと特許庁のウェブサイトをよく見なければいけないですね。
勉強になりました。
丁寧な解説、ありがとうございます。

投稿日時 - 2011-04-30 22:03:01

ANo.3

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回答(3)

ANo.2

同じ内容の請求の範囲が記載された先願があり、まだその先願が公開されていない場合には、
簡単に補正して特許にすることができる場合が多いと思います。対応が難しいのは
既に公開されている内容から当業者が容易に発明できたと判断される場合です。

投稿日時 - 2011-04-30 11:18:51

お礼

ありがとうございます。下でも書きましたが、そのためにも補正の範囲を広げておくことが重要になりそうですね。
 気をつけます。

投稿日時 - 2011-04-30 15:45:59

ANo.1

弁理士です。

ご質問のケースの場合の拒絶理由は、通常は、29条の2の条文が適用されます。
この拒絶理由を受けた場合は、明細書の記載に基づいて請求の範囲を狭めることによって対処します。
どのような先行技術があるのかは分かりませんので、対処法は、できるだけ発明の内容を明細書に記載しておくことです。多くの発明は、概念レベルでは共通していることが多いですが、具体的な構成に近づくほど、差異がでてきます。
従って、具体的な構成・材料・サイズ・製法など、色々なことを明細書に記載しておいて、先行技術との差別化を試みます。

実際の実務では、拒絶理由の多くは、進歩性欠如です。発明が進歩性を有するかどうかの判断は、極めて難しいと言われています。全ての先行技術を把握することは事実上不可能ですし、審査官毎のばらつきも小さくないからです。

一般に出願前の先行技術では、10万円以下程度の費用で、関連技術を大雑把に検索して、進歩性があるかどうかの一応の判断を行います。ただ、この程度の調査では、一応の判断であり、最終的に進歩性を有することを事務所が保証できるものではありません。
先行技術は事実上無限にあり、どのような調査を審査官が行うのかは完全には予測ができないからです。

従って、公知例調査の依頼も含めて特許事務所にお願いした場合でも、公知文献に基づいて進歩性違反で拒絶されて特許が取れない可能性は十分にあります。その場合にも、基本的には、全ての費用は無駄になってしまいます。記載不備など事務所側に重大な問題があれば、返金に応じてくれる場合もあると思いますが、そうでない場合には、諸費用が返ってくる可能性は低いので、その点を十分に理解して、事務所に仕事を依頼するといいと思います。

投稿日時 - 2011-04-29 20:31:16

補足

「出願後、公開されてから審査請求などはしませんが、」と書きましたが「自分が出願した後、先願が公開されて自分のものと同じであることがわかった状態で、補正もせずに審査請求などはしませんが」ということです。端折りすぎましたので補足させていただきます。

投稿日時 - 2011-04-30 15:48:48

お礼

ご回答ありがとうございます。
拒絶理由を受けたときの補正の範囲を広げるために、なるべく明細書には実施例を載せておきたいと思います。
進歩性の判断は、たしかに審査官の裁量にもよるかと思うので、事務所では保障しかねるというのはわかります。

ただ、公開もされてもおらず、つまりは検索をしてもひっかかる手段がない状態で出願したにもかかわらず、出願費用だけは取られるということが納得いかず、質問させていただきました。もちろん、出願後、公開されてから審査請求などはしませんが、事務所を通すとなると出願費用だけでも馬鹿にならないもので。

あと、先願が公開されていない状態で出願したから39条と思いましたが、審査請求の段階で公開されているので抵触するのは29条の2である、という理解でよろしいでしょうか。

俄かなので、頓珍漢なことを言っていたら、申し訳ありません。

投稿日時 - 2011-04-30 15:44:52

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