こんにちはゲストさん。会員登録(無料)して質問・回答してみよう!

解決済みの質問

請負の担保責任(賠償責任の範囲)

請負契約の担保責任(民法634以下)のうち、賠償責任に関する質問です。

この責任が、請負人保護・目的物の社会的効用維持を図るべく、415の特則として、
債務不履行責任の内容を制限したことまでは理解できました。

しかし、そこからが分かりません。
しばしば、「請負契約は請負人が瑕疵のない仕事を完成させることが契約の義務となっているため、請負契約の担保責任は債務不履行の特則であると解される。そのため、「損害」の範囲は、通常の債務不履行の場合と同様に履行利益まで含まれる」との説明を教科書で目にします。

債務不履行責任はもともと履行利益の賠償を認めている以上、なぜ、これ(賠償責任の範囲)を説明するために、その特則、という理由付けをする必要があるのでしょうか?無過失責任であることを説明するうためには、特則と理由づける意味はあると思いますが。

それとも、私が、特則の意味を誤解しているのでしょうか?
特則=一般法に対する特別法、特別規則。
債務不履行責任の場合と同じなのに・・・。というのが、残る謎なのです。

ちなみに、「瑕疵」の内容として、契約内容を考慮する点も、あえて、債務不履行の特則と理由づける意味はあるのかなと、思ってしまいます。


よろしくお願いします。

投稿日時 - 2013-02-09 23:05:29

QNo.7937027

困ってます

質問者が選んだベストアンサー

今になって思えば、回答No.1での説明は衒学じみていて、細部が解りにくいものでした。申し訳ありません。
回答者としては、請負契約における解釈理論を述べたつもりでした。

以下では、改めて整理した回答をしたいと思います。


まず、特則の意義について述べたいと思います。
特則とは、原理原則や総則に定められた内容とは、異なるものを特別に定められた規定を言います(特別の規則)。
その内容は、実質的に観て、注意書きを超えるものだと言えます。


>つまり、請負の担保責任の説明する際には、両者の特則であること「まで」主張する必要性はないのじゃないのかな、というのが疑問として残っています。

質問者さんのこの疑問はごもっともです。
しかし、売買契約の瑕疵担保責任が有償契約の原則とされている以上、有償契約上の、内容の異なる請負契約の瑕疵担保責任規定は、契約各論の理論としては売買契約の規定に対する特則でもあると言わざるをません。
体系として、債権総論から一方的に根拠づけられるとしても、契約各論のなかの各契約の関係・位置が決定されるわけではないからです。
理論的な、体系的な問題ですので少し回りくどい話になったことを、申し訳なく思います。


>とすると、瑕疵修補請求との関係では、その法的性質を説明するには、両者の特則であることを説明する必要があるのかな、と理解するようになりました。

この点に関しても、先の説明をそのまま当てはめることができます。




以下では、質問者さんの最初の質問(9日の分)に対し、債権総論のみの見地から、簡潔・直截に答えさせて頂きたいと思います。

>債務不履行責任はもともと履行利益の賠償を認めている以上、なぜ、これ(賠償責任の範囲)を説明するために、その特則、という理由付けをする必要があるのでしょうか?無過失責任であることを説明するうためには、特則と理由づける意味はあると思いますが。

請負契約の場合、瑕疵のない仕事を完成させることが、義務として明らかです。対して、債務不履行では金銭賠償を原則としています。よって、現物完成義務は、債務不履行から導くことのできない請負契約特有の規定、すなわち特則ということができます。更に、現物完成によって得られる利益とそれを金銭に換算した利益は同一といえるので、請負契約の債務不履行は履行利益を含むといえます。


>ちなみに、「瑕疵」の内容として、契約内容を考慮する点も、あえて、債務不履行の特則と理由づける意味はあるのかなと、思ってしまいます。

これは634条1項ただし書きから理由付けられます。債務不履行であれば「債務の本旨」であるところを、請負契約の瑕疵修補責任では、「瑕疵が重要でなく、過大の費用を要する」場合に制約しているからです。瑕疵とは本来有すべき性質などのことを言うのですから、重要でなかったとしても「債務の本旨」にあたります。



私自身、理論にばかり目を向けていて、明快で単刀直入の回答が何なのか見失っていました。
売買契約は措いて、債権総論から、簡潔に回答をすることも可能でした。
反省するばかりです。

投稿日時 - 2013-02-12 17:46:12

お礼

なるほど~。
かなりすっきり、理解できました。準用条文のために、体系的な理論づけとして必要だったんですね!

瑕疵修補請求の方も、この度のご回答を見て、さらに自分の誤解にも気づけました。
私は、(債務不履行でもなく担保責任でもなく)契約責任(単なる、契約に基づく請求。完全履行請求=代物請求(建て直せ))から、説明してもいいのかなとも思っていました。しかし、完成を認めて瑕疵担保規範(634条以下)に委ねた以上、瑕疵修補請求の法的性質を、契約責任から説明しては、ダメですね。債務不履行・売買担保責任の特質として、説明する必要がありますね。


いやいや、本当にすっきり理解できました。
ありがとうございました!心より、感謝しています。

投稿日時 - 2013-02-12 19:28:45

このQ&Aは役に立ちましたか?

0人が「このQ&Aが役に立った」と投票しています

回答(2)

ANo.1

>債務不履行責任はもともと履行利益の賠償を認めている以上、なぜ、これ(賠償責任の範囲)を説明するために、その特則、という理由付けをする必要があるのでしょうか?無過失責任であることを説明するうためには、特則と理由づける意味はあると思いますが。

これは、債権総論・契約総論および契約各論の視点から論じる必要がある問題です。
まず、売買の規定に559条という規定があります。これによって、売買契約の規定は、他の有償契約に性質の反しない限りで準用されます。つまり、有償契約である今回の請負契約においても、売買契約の規定を全く看過することはできないということです。

瑕疵担保責任の問題ですので、売買契約の瑕疵担保責任の条文に目を移しましょう。570条は、隠れた瑕疵のある時には566条を準用せよ、としていますね。
この566条から導き出される、瑕疵担保責任制度の内容についての理解・解釈の説明として、法定責任説というものがあります。
この説の詳しい説明は省くので教科書で調べてほしいのですが、この理解によると、目的物が特定物の場合、570条・566条によって賠償されるものは、履行利益ではなく信頼利益に留まります。

この説を取ったうえで、559条によって請負契約にこの内容の制度を適用すると、これまた信頼利益しか賠償されないという具合になります。しかし、請負契約の場合、これでは不合理です(なお、学説などでこの適用方法をとる説は皆無です)。
こういう理由から、請負契約の賠償範囲は、無過失責任という点で、債権総論・契約総論と異なる。
よって、特則といえる。しかし、その賠償範囲は、有償契約の原則となる売買契約から、当然に導かれているわけではないので、
>「損害」の範囲は、通常の債務不履行の場合と同様に履行利益まで含まれる」。
という、2つの意味(総論に対する意味、各論原則に対する意味)で特則と理由付ける必要があります。
債権総論や契約各論に対しても、それを外れる請負契約独自の「特則」というべき条文が存在するということを言いたいわけです。



>ちなみに、「瑕疵」の内容として、契約内容を考慮する点も、あえて、債務不履行の特則と理由づける意味はあるのかなと、思ってしまいます。
これは、634条1項ただし書きから説明ができます。
これによって、請負契約上の瑕疵修補請求権は、「瑕疵が重要でない場合において、その修補に過分の費用を要するとき」に行使できず、制約されていると言えます。
債権総論や契約総論、および売買契約にはそのような結論を直接導く規定がありません。
そのため、契約内容を考慮してその瑕疵の内容・性質を判断することになり、債務不履行の特則というべき634条がある、ということがいえるのです。


このような立体的な理解ができるようになると、法律学を学ぶことに、楽しみを感じることができるはずです。
長々とした回答になりましたが以上です。

投稿日時 - 2013-02-10 22:15:23

お礼

大変、丁寧なご指導をしていただいて、ありがとうございました。

ということは、もし相手(請負人)が、無過失性「だけ」を抗弁として主張してきた場合、それに反論するため(無過失の主張は不当だ)には、担保責任の性質を債務不履行責任の特則と説明する必要はあっても、売買担保責任の特則と説明する必要はないですよね?
逆に、信頼利益の賠償にとどまること「だけ」を主張してきた場合も、それに反論するためには、債務不履行責任の特則であること「だけ」を反論していけばいいですよね?

つまり、請負の担保責任の説明する際には、両者の特則であること「まで」主張する必要性はないのじゃないのかな、というのが疑問として残っています。




後段に関しては、私は、完全履行請求権=代物請求を、請負では、請負人保護、社会的効用の維持の観点から、瑕疵修補請求権
(634(1)本文)にとどめた、さらに但書は制限を加重したものである。だから、債務不履行責任(を制限している点で)の特則であり、売買担保責任(では認められない請求を認めている点で)の特則である。とすると、瑕疵修補請求との関係では、その法的性質を説明するには、両者の特則であることを説明する必要があるのかな、と理解するようになりました。その意味では、直接導く規定がない、とは言えないのではないでしょうか?

これが、現在、shooter555様から、ご教授していただいた内容をもとに理解しなおした、私の考えと残る疑問です。
たびたび申し訳ありませんが、また、お時間があれば、よろしくお願いできたらと思います。

投稿日時 - 2013-02-11 10:20:41

あなたにオススメの質問